冠攣縮性狭心症(体験記)

冠攣縮性狭心症とわかってから10年以上。救急車で運ばれたこと、入院、通院、日々の発作のことなど書き残しています。

どうしても目をつむります

麻酔は腕だけです
と言うことは目を開ければいろいろ見ることができます



もちろん音も聞こえます。始まる前に先生から「レントゲン撮影の時みたいなお願いをしますから・・」と言われていましたから、音が聞こえない状態では検査は前に進まないようです。耳は両手でふさぐしかなく、当然両腕ともふさがっていますから耳をふさぐことはできません。いろいろな音や声が聞こえてきます。T先生の声、看護婦さんの声、男の看護士さんの声、器具があたる金属音。それ程の恐怖感はもうありませんでした。

ただ、目はどおしても開ける気にはなりませんでした。実際は違いましたが、もし目を開けて大量の血を見てしまったらどおしようと思っていたからです。そんな状態でしたからついにカテーテル本体を一度も目にすることはありませんでした。

T先生の話し声や看護婦さんの話し声は相変わらず聞こえますが、マスク越しにこもった感じで聞こえるのと、専門用語が多いため何を話しているのかまったくわかりません。ただカテーテルはすでに心臓付近に到達している模様です。まったく痛くもかゆくもありません。何となく胸のあたりの体の中がむずがゆいような気がしましたが、気のせいだと思います。何分くらいこうしているのか、まったくわからない状況です。5分なのか30分なのかも不明です。ただただ時間は過ぎていきます。

何分ぐらいたった頃か、T先生が明らかに自分に話しかけてきました。
「気分は悪くないですか? 大丈夫ですか?」と、問いかけられました。とりあえず「はい」と答えました。
「それでは少しだけいろいろお願いしますね!・・まず大きく息を吸ってください、止めなくていいですよ。はいもう一度大きく息を吸ってはいてください」と深呼吸を何度か繰り返しました。
「はい、大きく吸ってください、今度は止めてください」・・・・「はい、ゆっくりはいてください」少し時間をおいて「はい、大きく吸ってください、止めてください」・・・・「はい、ゆっくりはいてください」と、またまた数回繰り返しました。

またまた「気分は悪くないですか? 大丈夫ですか?」と、尋ねられた後、
「今度は急に体が熱くなりますよ」と訳の分からない説明を受けました。
{?????????・・・・・狭心症の検査で、体が熱くなる?」です。

第1回はこちらからご覧下さい